経済協力開発機構(OECD)が2025年4月に公表した「Skills Outlook 2025」は、グローバル労働市場における構造的変化を浮き彫りにした。報告書によれば、STEM(科学・技術・工学・数学)分野の人材が国境を越えて移動するケースは前年比23%増となり、過去最高を記録した。

特に注目すべきは、AI・機械学習エンジニアとクラウドインフラストラクチャの専門家に対する需要である。米国シリコンバレーを中心としたテクノロジーハブでは、リモートワークの普及により「物理的な移住を伴わない国際就労」が主流化しつつある。

報告書が指摘する、日本人エンジニアが世界で活躍するために必要な3つの能力は以下の通りだ。

1. 技術的専門性の深化と幅の拡大 単一の言語やフレームワークに依存するのではなく、システム全体を設計・構築できるフルスタックな視点が求められている。特にKubernetes、Terraform等のインフラ自動化ツールの習熟度が採用基準に直結する。

2. 非同期コミュニケーション能力 時差のあるチームでの協働が前提となるリモート環境では、的確なドキュメンテーションとGitHub上でのコードレビューを通じた非同期コミュニケーションが不可欠だ。

3. ビジネスインパクトの言語化 技術力だけでなく、自らの成果がプロダクトやビジネスにどのような影響を与えたかを定量的に説明できる能力が、シリコンバレー企業の採用面接では重視される。

日本は依然としてSTEM人材の輸出国としてのポテンシャルが高い。円安による報酬面でのメリットも相まって、2026年は日本人エンジニアのグローバル進出が加速する年となりそうだ。